第47回東海陸水談話会(12月19日)の開催

次回、第47回東海陸水談話会は、豊田市矢作川研究所の内田朝子博士をお迎えして行います。

日時:2025年12月19日(金)18時~20時

場所:椙山女学園大学教育学部A301教室(理科室)
   Google Maps https://maps.app.goo.gl/zamDWuatNT15hv1q9
   建物配置 https://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/campus/map/hoshigaoka.html

 講演内容は、内田博士が2025年9月にLimnology and Oceanography Methods誌に発表された「River metabolic rates measured using a transparent tunnel」の紹介を中心に、川の「健康診断」の基盤となる光合成と呼吸を測定する技術に関する話題提供をお願いしています。

 → 東海陸水談話会のページはこちら

論文Link:https://aslopubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lom3.70003

CPD登録(土木学会)も予定しております。
暫定版の講演要旨は以下の通りです。詳細は改めて告知させていただきます。

講演要旨
『川の「健康診断」の新技術』
 川の体調を判断する上で,川底の付着藻群落の光合成による酸素生産と,呼吸や有機物分解による酸素消費の2つのバランスがポイントになります.川の体調を測定する方法として,連続した河川の溶存酸素データから推定するオープンメソッド(マスバランス法)が普及しています.オープンメソッドでは,大気と水との間の酸素移動係数が必須となり,精度に課題があります.これを克服するためには,河川水中に大気と遮断した水塊を作る必要があります.そこで,本研究では,透明シートを用いた水中トンネルを作成することで,酸素の移動速度が不要なGPPとERの測定手法を開発しました.
 透明トンネル法では,酸素移動係数が不要なので簡単な計算で川の体調を推定することができます.この新しい方法で測定したところ,従来の測定方法「明暗瓶法」や「袋法」と比べて,川の呼吸量が最大で数十倍も活発であり,オープンメソッドの既往値に近いことが分かりました.この水中透明トンネル法によって,より実態に即した川の健康診断が可能になると期待されます.掲載された雑誌は陸水学分野での国際的に最高水準で,この測定法の新規性が高く評価されたと思われます.談話会では,着想にいたる経緯や技術開発での気づきなど論文に記載されたこととされていないことを合わせて,情報交換できればと思います.

第46回東海陸水談話会の報告

第46回東海陸水談話会は,10月10日(金)18時から椙山女学園大学教育学部理科室にて,17名の参加者を得て開催いたしました。話題提供者の大西健夫先生(岐阜大学)からは,演題の「伊勢湾流域圏・木曽三川流域における水文環境と気候変動」に沿った以下3つの研究成果を紹介していただきました。

談話会の開催報告,発表資料を「東海陸水談話会」のページに掲載しましたので,ぜひご覧ください!

内田朝子会員の論文情報

 内田朝子会員(豊田市矢作川研究所)の論文がLimnology and Oceanography Methodsに掲載されました。河川の一次生産を測定する新しい手法の提案とその検証です。調査地は矢作川中流域です。論文はオープンアクセスにはなっていませんので、別刷りを希望される方は内田朝子会員にE-mailにてお問い合わせください。

論文掲載web site:https://aslopubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lom3.70003

内田朝子会員:https://www.yahagigawa.jp/staff/uchida.html

論文要旨
 河川環境の保全を目的にした生態系の代謝速度を算出するには,精度の高い河床の一次生産量(GPP)と生物群集の呼吸量(ER)を把握する必要性がある.近年用いられているO-CMMは,大気と河川水間の酸素移動速度を推定する必要があり,精度に課題がある.これを克服するためには,河川水中に大気と遮断した水塊を作る必要がある.そこで,本研究では,透明シートを用いた水中トンネルを作成することで,酸素の移動速度が不要なGPPとERの測定手法を開発した.透明トンネル法で得られた河川中流域のGPPは,夏には平均6.59 g C m–2 d–1,冬には平均4.65 g C m–2 d–1,ERは,夏には平均3.46 g C m–2 d–1, 冬には平均2.77 g C m–2 d–1であった.この呼吸量は実験的手法の明暗瓶法および袋法の6倍から数十倍の高く,Open-channel metabolism methodの既往値に近かった.透明トンネル法は,河床全体の生物群集の呼吸量を反映していた.本透明トンネル法は,酸素移動速度が不要であり,生態系の代謝を1つ少ない項数で推定できる精度のよいGPPとERの算出が可能である.

第46回東海陸水談話会(10月10日 開催)のお知らせ

第46回東海陸水談話会を2025年10月10日(金)18:00~20:00に
椙山女学園大学教育学部の理科室(A301教室)で開催します。

今回は、岐阜大学応用生物科学部の大西健夫先生をお迎えして、
「伊勢湾流域圏・木曽三川流域における水文環境と気候変動」と題して講演いただきます。

なお、談話会の参加費は無料で、支部会会員以外の方もご参加いただけます。
皆さま、奮ってのご参加をお待ちしております。

内容の詳細については、東海陸水談話会のページをご覧ください。
また大西先生の情報はweb siteをご覧ください。

陸の水104号(論文集12)が公開されました

 104号(論文集12)には、長良川下流域におけるベンケイガニ類の長期変動(論文)、浜名湖周辺のネオニコチノイド系農薬の実態(論文)、着生シダ植物ホソバコケシノブ(広義)の形態および分子系統解析による隠蔽種の発見(報告)、御嶽山南麓の無機酸性湧水に生息するミドリムシの記録(報告)、そして歴代支部会長の思い出を紡いだ支部会小史(意見)の5本の記事が掲載されています。

全文が公開され誰でも自由に閲覧できます。

2025年度 研究助成の募集について(本年度は締め切りました)

日本陸水学会東海支部会では「水辺環境を対象とした,生物・化学・地学・社会・地理・歴史・環境その他のあらゆる探求の取り組み」に対してアマチュア・若手研究者の調査・研究を奨励するために研究助成を行います。
興味を持たれた方は、申請書を以下よりダウンロードしてください。

・募集案内はこちら→ 募集の締め切りは5/23(金)となっています

・申請書類はこちら→ 

申請書類のExcelファイルが必要な方は事務局(rikusui-tokai@rikusui-tokai.sakura.ne.jp)までご連絡ください.(アットマークを半角にしてください)

第27回研究発表会 優秀発表賞が決定しました

2025年2月15日(土)~16日(日)に行われました日本陸水学会東海支部会 第26回研究発表会で、優秀発表賞を受賞された方々は下の通りです.

最優秀賞:Karimullah SEFAT「Modeling Sediment Transport  in Gravel-Bed Rivers Using Field Data」
優秀賞: 今原 良  「佐鳴湖の⽔の調査と底質の改善実験」

おめでとうございます!

発表要旨はこちら

第45回東海陸水談話会のお知らせ

第45回東海陸水談話会を2月7日(金)18:00~20:00に開催予定です。

今回は、自然共生研究センターの溝口 裕太 様をお招きし、「河道内植生を捉えるための航空レーザ測深データの処理手法」と題してご講演頂きます。

なお、談話会の参加費は無料で、支部会会員以外の方もご参加いただけます。

皆さま、奮ってのご参加をお待ちしております。

詳細については、東海陸水談話会のページをご覧ください。